都議会 各会計決算特別委員会 全局質疑 詳報
過日お知らせいたしました、都議会 令和5年度各会計決算特別委員会 全局質疑に関する詳報です。
【動画あり】
令和6年11月20日、令和5年度各会計決算特別委員会全局質疑が開催され、都議会自民党を代表して質問致しました。
「孤独・孤立の解消に向けた都の取組」を知事に、「在住外国人増加に伴う諸問題」「特定整備路線(大山中央地区)の整備状況」「鉄道連続立体交差事業の取組」「物価高対策・減税」「病院経営」「民間救急活用」「福祉人材」「不登校児のヘルスケア」「フォーミュラE東京大会」など多岐に亘る課題について、関係局長に対し45分間、一問一答で22問、質問しました。
【動画】
(19分38秒)
社会の不安にどう寄り添うか(孤独孤立・無縁社会への取組)
河野ゆうき副委員長
2050年の全世帯に占める1人暮らしの割合は東京都では54.1%に高まるとの予測がある。孤独・孤立は誰にとっても身近に生じうる深刻な問題。こうした都民の不安を払しょくしていくため、都では孤独・孤立の解消に向け、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺う。
小池百合子知事
「未来の東京」戦略の下、高齢者や生活困窮者、ひきこもりなど一人ひとりの悩みに向き合い、あらゆる分野で支援を充実。また、区市町村によるそれぞれの地域での分野横断的な相談支援体制の構築や居場所を創出する取組を支援。今後も、区市町村や関係機関と連携しながら、全庁を挙げて取組を推進し、誰ひとり取り残さない社会を実現していく。
河野
一人ひとりに寄り添い、不安を取り除き、一人ひとりのウェルビーイングにつなげて頂きたい。
外国人住民増加に伴う諸問題とスラム化させない取組
河野
コロナ禍の令和4年には、都内在住外国人の数が、50万人近く減少したが、6年10月は都内70万人を超えた。
文化や習慣が違う外国人が生活ルールやゴミ出しなどのマナーを守らず地域でトラブルも起きており、住民からは不安の声も聞かれる。地域のルール・マナーを守れる一員となってもらうことが安心安全の街のためには必須である。都の取組は。
生活文化スポーツ局長
各地域の情報を区市町村と連携して整理、今後外国人向けサイトで発信予定、あわせてサイトにつながるQRコード付カードを作成し、区市町村や町会・自治会等を通じて配布。
河野
一方、外国人の不法就労の問題についても対応することが必要。雇用主側へは、どんな取組を行っているか。
生活安全担当局長
企業の人事担当者等向けにマニュアルを作成、配布し、雇用主への講習会を昨年度40回開催。関係機関と連携して店舗を訪問するなど、キャンペーンを実施。
河野
多文化共生推進の立場からは、「誰ひとり取り残さない。」これは当然重要である。しかし、主権者たる国民の権利や安心安全が脅かされてはならない。他県で起きているような一部の外国人問題を、東京では起こさせないでほしい。そして、我が街の中の一角がスラム化するようなことがないよう対策を要望する。
個人住民税減税・物価高騰対策
河野
長引く物価高騰の影響によって、多くの都民の方々が経済的に疲弊している。
国交省によると、東京の可処分所得は全国で最下位である。3年前の都議選で、我が会派は、公約で減税を掲げたわけであるが、様々な理由により実現には至っていない。その理由の一つとして、減税を行った場合、起債の発行に際し、総務省の許可が必要。地方分権の観点から、起債の許可制度など、財政運営上の地方の自主性を損ねる制度の見直しを、国に求めていくべきと考えるが、都の見解を伺う。
財務局長
減税を実施した場合、国に行革努力などが認められて、初めて起債が可能となる現在の制度は、地方自治体の財政運営における自主性・主体性の観点から課題。真の地方自治は、地方自治体が自らの権限と財源に基づき、主体的に行財政運営を行うことで初めて実現。その実現に向け、国と地方の役割分担の見直しなど、引き続き国に対して求めていく。
河野
3年前の都議選では、我が会派は、「コロナ禍で苦しい時だからこそ、減税の断行を」と訴えました。今もまさに未曾有の物価高騰下において、経済活性化の突破口として、減税をはじめとした可処分所得を増やすための対策は重要。減税が難しいのなら、還付での対応も含め検討を。こうした対策を柔軟に実施できるよう、財政運営の自主性・自立性の担保のため、国に対して、強く働きかけていただくことを要望して次の質問に移る。
都道補助26号線(大山中央地区)の進捗
河野
大山中央地区での特定整備路線である補助第26号線の進捗が遅い。この路線の整備については、旧川越街道にあるハッピーロード大山商店街を斜めに分断し、商店街の1/3程度が道路計画にかかるという計画で、当初より反対する意見が多くありました。しかしながら、約20年前、地元でまちづくり協議会を立ち上げ、機運を醸成して、様々な地域の皆さんの努力により、現在に至っております。
この路線整備には、クロスポイント再開発とピッコロスクエア再開発という2つの再開発と東上本線の連立事業、駅前広場整備事業と、同時並行に進んでおり、板橋区にとっては、一大プロジェクトであります。
今年度末には、クロスポイント再開発が竣工する予定であります。前提として、道路が開通する時期に合わせて再開発を進めていこう、という当初の目標でした。
鉄道の連立に関しては、先ほど質問した通り、工事説明会も終わり、粛々と進んでいます。
再開発エリア部分にかかっているアーケードも、今年5年度末に撤去され、現在は、商店街が二分されているようになってしまっている現状です。
道路整備の遅れは、街づくりにとって大変致命的であります。
また、この整備区間には、千川上水が流れている。その上に10店舗の店が、まだ営業をしている。多くの方が、土地の買収に協力頂き、その上、アーケードの一部撤去までされている。また再開発は竣工間近である。都有地であるにも関わらず、何故この都有地での営業ができているのか。
何故ここまで、この道路整備が遅れていると考えているか。また、令和5年度は、これら使用者や建物所有者等に対して、これまでどのようにアプローチしたのか。今後どのように取り組んでいくのか伺う。
都技監
商店街に多数の店舗があり、移転先の選定に時間を要することや、土地・建物等に係る権利関係が複雑であること等の事情があることから、一層の用地取得推進に向け、東京都都市づくり公社に用地取得業務の一部を委託し、執行体制の強化などに取り組んできた。
また、沿道を含めた地域の方々に対し、事業の意義や重要性について説明を行うとともに、関係権利者を訪問して折衝を重ね、合意が得られた権利者の建物から物件調査、物件移転補償費の算定を実施してきた。
引き続き、関係権利者との合意形成に努め、用地取得に向けて取り組む。
東上本線の大山駅付近の連続立体交差事業の取組
河野
私の地元である板橋区においても、東上線の(区内全線の)立体化を区民の悲願と捉えている。
そこで、東武東上本線の大山駅付近における連続立体交差事業のこれまでの取組について伺う。
建設局長
東武東上本線の連続立体交差事業は、大山駅付近の約1.6kmの区間の鉄道を高架化し、8か所の踏切を除却することで、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化に資する極めて効果の高い事業。令和3年12月に事業認可を取得し、事業に着手。
令和5年度は、高架橋の詳細設計や用地測量などを行った。今年11月9日と14日には工事説明会を開催し、工事の進め方や安全対策などについて説明した。今後、用地取得を進めるとともに、工事にも着手していく。引き続き、地元区や鉄道事業者と連携し、事業を着実に推進。
河野
先日の工事説明会には多くの方々が参加されて、地元もこの事業に大きな期待を抱いている様子であった。
人と物とが円滑に行き交い、安全で活力ある都市を実現するには、連続立体交差事業の推進が不可欠である。引き続き、東武東上本線の大山駅付近における連続立体交差事業に全力で取り組まれることを強く要望する。
ときわ台~上板橋駅付近区間および中板橋駅付近の立体化
河野
「ときわ台~上板橋駅付近」については都の踏切対策基本方針において、鉄道立体化の検討対象区間として位置づけられている。上板橋駅南口では再開発が進んでおり、また、ときわ台地区においては、まちづくり協議会が発足する等、まちづくりの機運が高まっている。
令和5年度末には、板橋区議会議員による「東武東上線中板橋駅・ときわ台駅・上板橋駅連続立体化促進議員協議会」により、中板橋駅付近を含む区間について、立体化の早期実現を都へ要望したところである。次期踏切対策基本方針が策定されても、現方針に位置づけのある、ときわ台~上板橋駅付近の鉄道立体化に向けて取り組むべきであるが、現在の状況を伺う。
都技監
鉄道立体化は、地域のまちづくりと大きく連動することから、地元区が主体となり、鉄道立体化を契機としたまちづくりの方針や道路整備計画を具体化することが必要。
令和5年度に地元区にてまちづくり協議会が設立し、都は、区によるまちづくりの検討が促進されるよう、支援。
都としては、これらのまちづくりの検討状況や交差道路の整備計画の具体化などを十分に踏まえまして、適切に対応。
河野
このときわ台~上板橋区間に関しては、複々線化を期待する声も聞いている。国土交通省の交通政策審議会に地元として要望を上げ、鉄道立体化と合わせて取組を行うことで、利用者の利便性が格段に向上するものと考えている。
是非、これらの実現に向け、都には鉄道立体化の取組を進めて頂くよう要望します。
都立病院の経営状況と未収金対策の取組について
河野
運営費負担金が投入されており、効率的効果的な経営改善が求められる。その一環として、医療を受けた患者には受益者負担の原則を踏まえ診療費を確実に徴収するなど、未収金を減らす必要がある。都立病院の未収金対策の取組状況について伺う。
保健医療局長
都立病院では、未収金の縮減にあたり発生防止と回収促進の双方の観点から対策を実施。
発生防止に向けては、支払相談や公的助成制度の案内を丁寧かつきめ細かに行うとともに、令和5年度は複数の病院で診療費の後払いサービスを導入するなど支払方法の選択肢を拡大。
また、未収金の発生後には、マニュアルに基づく速やかな催告を徹底するとともに、困難案件については早期に弁護士に回収を委任する等適切に対応。
こうした取組により、令和5年度の未収金額は約4億1千万円、割合は2.6%であり、前年度と比較して1.4ポイントの改善。
河野
未収金が約4億1千万円ということでしたが、未収金の督促や回収のため、事務的に労力と時間がさかれていると思います。特に、来日外国人などは、帰国してしまうと、回収は事実上不可能になるケースが多いと聞きます。
昨今は受益者が負担する医療費の保証をするサービスもあり、民間病院では導入が増えているそうです。そのような取組みも検討して頂きたいと思います。
本日の質疑では、都立病院の決算状況についてお聞きしてきたが、民間病院の経営状況は更に厳しい環境にあると思う。
民間病院からも、コロナが2類から5類に移行になった後、患者の動きが変わったようで患者数が戻っておらず、厳しい経営状況と聞いている。先日は、武蔵野市の二次救急医療機関が、病棟が築54年と老朽化し建て替えを検討したものの、コロナによる経営への影響や建築資材の高騰などのため断念せざるを得なくなり、診療を休止するとの報道もあった。
経営を取り巻く環境として、物価高騰や人手不足、働き方改革の影響など社会的な背景もあることは都立病院でも民間医療機関でも同様であり、都立病院においては経営の更なる改善を求めるとともに、都においても現下の民間医療機関の厳しい経営状況を踏まえ、置かれている状況や医療環境の変化を把握し取組を進めていくことを要望し、次の質問に移る。
民間救急を活用しやすい環境を整えるべき
河野
令和5年は、救急出場件数が最多を更新、本年度はさらに増加。
救急需要対策の一環として患者等搬送事業者である民間救急を利活用することで、不要不急な救急の利用を減らことが期待される。そこで、都民が民間救急を利用しやすい環境を整えるべきと考えるが、東京消防庁の見解を伺う。
消防総監
患者等搬送事業者については、転院や通院等の手段として都民に利用されており、救急車の適時適切な利用に寄与している。このため東京消防庁では、都民が安全に利用できるよう、患者等搬送事業者認定表示制度を設け、乗務員の応急手当に関する資格や資器材等の基準を満たしている事業者を認定し、公表等を行ってきた。
さらに、各地域の救急業務連絡協議会に、患者等搬送事業者の参画を図り、消防機関や各医療機関等との連携を促進しています。引き続き、利用しやすい環境の整備に努める。
河野
各地域の救急業務連絡協議会に民間救急事業者の方々も参画されるということは、大きな前進。東京防災救急協会が設置する東京民間救急コールセンターと民間救急の事業者が運営するポータルサイトなど、事業者間のネットワークを活用して、よりよいシステムの構築を進められたい。
不登校児のヘルスケア対策は
河野
成長期の子供たちの健康な体を作る支援は大きな課題。特に不登校が長期化し引きこもりがちな児童に対しては、積極的なヘルスケアが必要と考える。不登校により学校で健康診断を受けられなかった児童生徒への取組状況と健診の受診状況は。
教育長
児童や生徒等が、健康診断を長期欠席等により受けられなかった場合の対応について、事前に保護者に伝えることなどを通知。都教育委員会はこの内容を都立学校や区市町村教育委員会に対して周知。都立学校においては健康診断を当日に欠席した生徒等に対し、学校医の診療所で、後日、診断を受けられるなどの対応。これらにより児童・生徒等の健康保持を着実に進める。
河野
健康な身体をつくることで、ホルモンバランスを整え、メンタルヘルスにもプラスの要素になることも期待される。是非、様々な最新の技術なども駆使して、サポートして頂くことを望む。
◯サービス管理責任者等の人材不足対策について
◯事業評価の決算審議での活用について
◯フォーミュラE東京大会への関わりについて
◯大島波浮港の整備について
などについても質問しました。