百条委員会はまたまた異常事態




~またまた異常事態~【拡散希望】
残念ながら、政治利用の場と化してしまった百条委員会。
本日、百条委員会が本会議後に開催され、「委員長提案の報告書が賛成多数で可決」され、百条委員会は結了しました。
もう一度書きます。「報告書が賛成多数で可決」《前代未聞です》。報告書を採決すること自体が、有り得ないことです。
それぞれ審議の中で、意見が異なることは当然あることです。
しかし、そのまとめである報告書は、当然、公平中立であり、意見が別れる場合などは、両論を併記するのは、当たり前なわけです。ですから、報告書案を多数決を取ること自体、有り得ない、異常事態なのです。
公明党の谷村委員長に対しては、我々の意見も盛り込むよう、再三に渡り、要請しましたが、完全に無視。数にものを言わせ、強行に採決しました。
ましてや、我々は23人の委員会メンバーの中、10人の委員を占める最大勢力。にもかかわらず、都民ファースト連合は、公明党も共産党も仲良く野合を組み、議会史上、前代未聞の暴挙を行ってしまいました。
彼らの組み立てたストーリーを正当化するために、我々自民党の質疑を消すかのようなことをする。選挙を目前に控えると、政治家としての良心も矜持も無くなってしまうのでしょうか。
①私、河野に対しての問責。②桜井前委員長への不信任。③濱渦氏、赤星氏に対する偽証認定。④報告書案の強行採決。
いずれも、地方自治の教科書に間違いなく載るでしょう。最悪の例として。

以下、我が党の古賀俊昭議員の委員会報告書委員長案に対する反対の討論を添付します。


H29.6.2 委員会報告への意見(自民党)

「本委員会に提出されている、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会の調査報告書について、都議会自民党を代表して意見開陳を行います。

 委員会の報告は、委員会に提出された資料と証人尋問、そして、各委員の質疑を踏まえて作成し、本会議に報告すべきものです。

 そして、本委員会のように、議論が大きく分かれている場合には、議論の全体像の均衡を図り、其れをよく反映した報告書を作成することが、特に重要です。

こうした観点からみると、現在委員会に提出されている報告書の記載にはいくつかの個所で記載内容に偏りがあり、このままでは、各委員によって議論された事実が正しく伝わりません。

特に、報告書8ページから20ページまで、項目4の「調査の結果」の部分では、本委員会で実際に議論が交わされた内容を、予断をまじえず、正確に記述することが求められます。

そこで、この項目4に関して、問題点を指摘いたします。

まず、8ページ、(1)の「豊洲市場が築地市場の移転先として選定された経緯」についてです。
 冒頭4行にわたって、石原知事就任時における豊洲移転に向けた動きが記載されていますが、知事就任前から既に都と東京ガスとの間で土地売買を巡る交渉が開始されていたのは事実であり、「既定路線といえる状況ではなかった」と断定する記載は、正確ではなく、修正すべきです。

 そして、(1)の最後で、石原元知事の責任は重いとしていますが、あたかも、豊洲移転が誤りであったことを前提とした一方的かつ不適正な表現であり、そもそも具体的にどのような責任なのか、その内容が全く不明な記載であり、削除すべきです。
次に、同じページの下段、(2)の東京都と東京ガス等との土地売買交渉の内容、という項目についてです。

 そもそも、土地の売買交渉を論ずるにあたっては、まず最初に、平成11年11月に、築地の業界の方も参加する協議会で現在地再整備は困難、移転整備へと方向転換すべきと意見集約がなされたことが出発点であることを明記しておく必要があります。

 そして、「水面下交渉」という言葉の理解を巡って、単なる事務方による細部を詰める作業のことを言ったに過ぎないとする証人発言に対し、「実際には」という表現をすることで、損をさせない不透明な交渉であったと主張する多数意見を、あたかも事実であるかのように断定し記載しています。
しかし、この時点における交渉において東京ガスに損をさせない仕組み作りが行われていた事実は見出されていないのですから、これを事実と断定することはできません。そうした意見もあった、という記載に修正すべきです。
 また、9ページの上段の利益と採算性についての記述ですが、東京ガスは、民間企業として株主への説明責任を有しており、利益や採算性に配慮する必要性があったのは当然であり、そうした記載もないまま、単に利益目的であったかのように記載することは適切ではありません。加筆が必要です。

次に、その下、イの「基本合意の確認書」の存在についての報告です。「現処理計画」が、都が追加の土壌汚染対策の費用を負担せざるを得ない根拠になったと考えられる、と記載し、あたかも東京都の負担が不合理なものであったかのような表現になっています。
この点に関しては、その後に記載されているように東京ガスは都の条例を先取りした計画を立てていたのですから、そもそも、施行される予定であった都の条例自体が、汚染の100%除去を求めていなかった点について付記すべきです。
また、東京ガスが豊洲用地を市場用地として売り込んだわけではなく、むしろ売買契約に消極的であった東京ガスに対して法令基準を上回る土壌汚染対策まで求めることは困難でした。
それにも拘わらず、東京ガスは法令基準を上回る対策を自らの費用で行ったのですから、東京ガスが負担した内容は、当時の状況、環境条例の定めなど総合的に勘案すれば、むしろ十分な負担であった、こうした意見があったことも明記しておくべきです。
また、その次の10ページの上段、護岸対策工事費用の負担変更に関する記述では、「不透明な形で東京ガスの利益確保を図ったものと考えられる」と結論づけています。
護岸費用の負担の前提となっていた護岸宅地という構想計画が取れなくなった経緯があったことは提出された資料から客観的に明らかなのですから、この点について、もう一方の意見として整理されるべきです。
その下、ウ、安全を軽視した交渉姿勢について申し上げます。
先の委員会での、我が党の河野議員に対する不当な問責決議にも関連すると思われますが、Xデーなる言葉に踊らされ、軽率にも事実誤認をし、大きな不正があったかのような誇大宣伝をしてしまった失態を尻ぬぐいするための項目であり、ここに書かれていることは、自らの過ちを隠すための強弁にすぎません。

 内容を議論する必要もないものであり、この項目自体、全て削除すべきものです。元市場長は、豊洲用地の取得交渉を東京ガスと始める前に調査し、更に専門家の意見も聞いた上で対策が可能だと判断していた、と証言しています。こうした証言があった事実を全く無視し、このような何の根拠もない、無責任な記述を報告書に載せるべきではありません。

続いて、(3)の豊洲市場用地における土壌汚染対策です。
次の、11ページにかけて、東京ガスの土壌汚染に関する費用負担について触れ、瑕疵担保責任を免責したとの前提で報告書が作成されています。
先に述べたとおり、東京ガスは法令を上回る基準での汚染対策を完了させているのですから、追加負担は、東京ガスにとっては、本来、法的義務のないものであり、そもそも東京ガスに対して瑕疵担保責任を免除したものではありません。
このような意見があったことを明記しておらず、偏った記述になっています。修正が必要です。

 次に、(4)の都庁におけるガバナンス上の問題についてですが、ここでは、「具体的には、次の三点である。」として、その第一で、「水面下」での土地取引交渉に関わっていたことがガバナンス上の問題であるとしています。

しかし、先に指摘したとおり、この「水面下」の交渉という言葉自体が単なる事務方による細部の詰めの作業に過ぎないという立場からすれば、ガバナンス上の問題とは全く関係のないことになります。

こうした観点からの記述が欠落しているのは公平を欠く記述であると言わざるを得ません。やはり、修正が必要です。

 次の12ページ、上段では、第二として、公文書の保存管理の問題があったと指摘し、情報公開を故意に避ける意図、といった表記がなされています。確かに、文書の管理保全が十分であったとは言えない面もありますが、事実を隠ぺいするような意図は見受けられませんでしたし、そもそも、隠ぺいしなければならない不都合な事実の存在を指摘することすらできないと考えており、多数意見が想定したことのみを記載するのは、公正を欠くもので、修正が必要です。

 そして、その第三として、盛り土について触れていますが、その最後に、「この問題では、中央卸売市場の幹部が市場長に報告せずに豊洲市場の建物下に盛り土を行わなかったことなどが、都庁による自己検証で示された。」との記載があります。
この部分は、本委員会の審議とは全く別の話であり、報告書に記載すべきではありません。

次に、(5)虚偽の陳述の認定及び告発の議決を求める決定についてです。
19ページに、「なお、上記の認定及び決定について、次のような意見があった」として、偽証認定・告発に反対した我が党の主張が記載されています。

ここでは、詳細な記載が省かれていますが、我が党は、意見開陳でも明らかにしたように、

12ページ以降、アの、浜渦元東京都副知事の証言に関して記載されている、第一、第二、第三の証言を偽証であるとし、その根拠として列記されているもの全てが、偽証に違いないという思い込みの下で、一方的な視点から取り上げられたものであり、刑事訴追を前提とする偽証認定の根拠としては、全く曖昧かつ不十分なものであると考え、その理由を全て明らかにしてきました。

そして、16ページ以降に、イの、赤星元政策報道室理事の証言に関して記載されている、第一、第二の証言を偽証であるとし、その根拠として示されているものは、全て、偽証認定の根拠とはならないものばかりであると考え、やはり、その理由を全て明らかにしてきたところです。

 さらに、18ページ、ウの、故意に虚偽の陳述を行ったと判断する理由として上げられている点について言えば、まず、そもそも、13,4年前の事項について、その全てを詳細に覚えているというようなこと自体、あり得ないと考えます。
そのため、自分にとって関心のあった事項、あるいは殊に印象に残った事項については記憶を保持していて、そのことについて証言することはできても、それ以外の部分について記憶が曖昧になったり、時には記憶自体が欠落したために「そのような事実はなかった」と証言したとしても、ある意味自然であり、偽証と呼べるようなものではない、と考えます。
また、そもそも、護岸整備費用の変動は、当初の予定されていた計画が行えなくなったことによるものであり、東京ガスの開発負担を軽減したという事実はありません。
そして、この項目の中に、汚染が残る土壌処理計画を認めたとする記述があります。
しかし、先ほどから指摘しているとおり、東京ガスは都の環境確保条例を先取りする形で土壌汚染対策を行い、その後においても同条例を超す対策まで施しています。

都が土壌汚染対策費用を負担することとなったのは、その後において都が更なる土壌汚染対策を講じることを決めたことに起因するものです。
このため、費用を負担する原因となったという不都合な事実を隠したかった都の動機が推認される、という指摘はまったく当たらないと考えます。

つまり、両証人が、証人尋問において、自身の記憶とは敢えて異なる証言を意図的に行ったことを裏付ける証拠はなく、他の証人の証言も、一般論や曖昧な証言でしかなく、両証人が敢えて自身の記憶と異なる証言をしたことを裏付けるものではありませんでした。

このように、都議会自民党の委員10名(氏名読み上げ)が、何故、偽証の認定、そして告発に反対したのか、明確に分かるように、今申し上げた内容についても、報告書に記載しておくべきです。

この項目は、委員会の報告書の、まさに肝になる部分です。委員22名中、10名の委員のこうした意見を、丁寧に記述しておくことが、このように議論が分かれた委員会で、報告書をまとめる時には、非常に重要なことだと考えます。

なお、この項目についてですが、偽証認定そして告発を主張する会派から委員会に提出された資料が、別紙として報告書に添付されています。その上で、その主張の全てを、そのまま12ページから18ページにわたって報告書本文に掲載しています。
繰り返しますが、偽証認定そして告発を主張する会派にあまりに偏った形で、報告書を編纂することに、強い違和感を感じます。

続いて、19ページの(6)調査事項に関する改善意見という記述についてです。ここでも、「水面下交渉」にこだわり、多くの交渉記録や証言を得たことをもって委員会に意義があったとしています。
しかし、そもそも、「水面下の交渉」とは事務方によって細部を詰める作業であった訳で、組織として最終決定し団体意思として公になる前に、様々な交渉があるのは当然です。
そして、その交渉に関する記録や証言を集めれば、細部が明らかになるのは自然なことです。問題はその中に違法な事実が発見されたか否かですが、その意味では、なんら不適切な点は発見されておらず、本委員会の調査の意義は、むしろ、不正な事実はなく、東京ガス、東京都の担当者双方が真摯に協議を進めてきたことを明らかにできた点にある、そのように記載すべきです。

次に、行政の重要事項に対する都議会のチェック体制について言及し、公営企業の契約事務についてルール作りをすべきとの見解を記載している部分について申し上げます。
本委員会においてこのような議論は全く行われておらず、意見開陳で一部会派がそうした見解を示したことがあるだけです。一部会派の見解を、委員会の報告とすることは、容認できません。削除すべきです。 

次に、ガバナンス上の問題として、「執行部の無責任体質」と断言している部分ですが、本委員会の審議を通して、そうしたことが事実として確認されたとは到底言い難く、このような、思い込みによる、一方的な表現には論理の飛躍があると言わざるを得ません。こうした表記は削除すべきです。

さらに、第二回定例会に上程される公文書管理条例についても記述されていますが、同条例について、本委員会では全く審議されていません。

にも拘わらず、唐突に、あたかもこの100条委員会の審議が同条例の改正と関係しているかのような記載をすることは、小池知事の条例提案を忖度されてのことなのか、わかりませんが、いずれにしても、本委員会の審議内容には全く含まれていない事項を記載すべきではありません。これも削除すべきです。

以上、委員会に提出されている報告書(案)について、問題点を指摘いたしました。

委員会報告は、当該委員会で議論された課題、それに関する委員の質疑の概要を、議論の内容の均衡を考慮して記載することで、審議の全体像を正確に伝えるものでなければなりません。

その意味で、現在、この委員会に提出されている報告書は、偽証認定・告発に賛成した委員の一方的な主張、そして委員の所属する会派の意向に偏った内容になっていると言わざるを得ません。

このため、都議会自民党は、この報告書をもって、当委員会の報告書とすることに断固反対し、我が党が指摘した事項を踏まえ、報告書の内容を再考すべきであること指摘し、意見表明を終わります。」

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